ITILとはなんのことでしょうか?IT関連業務に従事する方は聞いたことがある言葉かもしれませんが、実際は何のことなのか詳しくご存知の方は少ないかもしれません。ITILとはInformation Technology Infrastructure Libraryの略で、一般的にはアイティルと呼ばれるITサービスマネジメントのガイドラインのことです。その起源は1989年にさかのぼります。最初は英国政府により発行されました。最近では2011年に発行されています。これを教科書として、世界各国の政府や企業が取り入れた業務を行っています。こちらではIT初心者の方でITILとは何かがまだわからないという方にももわかりやすいように順番を追って解説していき、ITILへの理解を深めていきます。
ガイドラインだけではないITIL
それでは、ITサービスマネジメントとは何か?業務を回す上で必要なITサービスの提供とサポートを効率的に行う仕組みのことです。最近のITは多様化しています。従来のシステム開発や構築、運用といった業務だけではなくITの立場からビジネスの発展に貢献する視点が欠かせなくなってきています。そのためにITILを使って成功事例を学び、プロセスやノウハウといったものを学んでいきます。また学ぶだけではなくITILは、フレームワークつまり雛形としての側面もあります。自社で0から仕組みを構築しなければならない場合、全くの初めての状態だとどこまでやればいいのかといった線引きがわかりません。そこで、ITILを雛形にして、抜けや漏れのない仕組みを自社で構築していくことも可能となります。ガイドラインだけではなくひな形としても利用できるところがITILの利点です。
業務にあたりなぜITILが必要なのか?
それではなぜITILが注目されだしたのでしょうか。それは技術革新によってIT業務も多様化したというのもあるかと思いますが、コストダウンのためでもあります。IT予算のうち、新規システム開発を占める割合が3割なのに対してシステム運用は7割を占めると言われています。多くコストがかかるシステム運用を効率化してコストを下げようと知る機運が高まってきています。もう一つの理由は生産性の向上です。ITILにはPDCAのマネジメントサイクルも組み込まれています。そのため問題点を継続的に改善し、組織として効率の良い運用体制を作り上げる狙いもあります。最後にISO化つまり規格化を考えた営業メリットが出てくる可能性があります。入札や新規契約時に有利に働くのではないかと言われています。