現場にITILを入れる際のポイント

ビジネスのIT化が進んだことで、ITサービスを適切に執り行っていくためにマネジメントをする必要性が生じています。そこでITILというものが活躍しているのです。ITILとは、ITサービスマネジメントの成功例を体現化したもので、これを現場に取り入れることで安全にITサービスを行うことができます。ITILは約5つのライフサイクルから構成されていて、それぞれサービスストラテジ・サービスデザイン・サービスオペレーション・サービストランジション・継続的なサービス改善の分野が含まれています。各分野が担っているものを一つにまとめ、ITサービスを提供する際のガイドラインとしてITILは重宝されています。また、ITILは英国政府によって内容が定期的に更新されていて、現在は3回の改訂を経て細かな規則などが定められています。

ITILの導入で気をつけるべきこと

ITILが導入されているサービスというのは安全面で保証がされたサービスということになります。ITサービスはPDCAサイクルによって適切な状態に保たれていることが多いですが、そこにITILが加わることでさらに安定さを増すことができるのです。また、部分的なことを意識して取り入れたITILよりもサービス全体を捉えてITILを導入した方がサービス自体の安全性も向上します。さらに3つのPと呼ばれるバランスを意識しておくことも大切です。3つのPはそれぞれ「プロセス」、「人」、「製品技術」という意味があり、ITサービスを展開する上での大事なファクターとなっているものになります。これらはどれか一つが突出しているとサービス自体が瓦解してしまうので、適切なバランスを保つことが必要です。

ITILは完全ではないためすべてを任せられない

ITサービスを展開する上でITILというのは非常に役立つシステムになっているのですが、すべてをITILに任せて事業を展開するのはまだ不可能です。第一にツールが高額なことが原因として挙げられます。専門性の高いツールというのは性能に見合った費用がするものです。そのため、ツールが高額になってしまいます。そのような費用を払えない企業は文書管理システムなどを用いて代用するしかなく、文書管理システムと互換のないITILは導入することができないのです。その負担を受けるのはシステムを管理する担当者の方で、サービスの質と引き換えになっています。最近では市販のものでもITILが導入されているシステムが出てきていますが、多少の無理をしてでも初めからITILが導入されているもののほうが安定感は増すでしょう。