ITILを取り入れたマネジメントをする企業が増えています。ITILとは、インフォメーション テクノロジー インフラストラクチャー ライブラリーの略で、ITサービスマネジメントの過去の成功事例を集めたITのライフサイクルのマネジメントについてのガイドラインです。いわば、ITサービスの教科書と言えます。このITILは英国政府によって発行されてから数回改訂され、2011年に発行されているバージョンのITILシステムが1番新しいものです。ITILは、世界のたくさんの国の政府や企業で取り入れられているので、サービスの指針としてこれに基づいた業務が行われています。ITILには、5つのライフサイクルが含まれており、各段階にわかれています。それぞれの概要について説明していきましょう。
ITILの5つのライフサイクルの概要について
1つ目は、「サービス・ストラテジ」で、どの領域でどんなサービスを提供するのか戦略的に検討するサイクルです。2つ目は、「サービス・デザイン」です。決定した新しいサービスの提供を、設計手法に基づいて安全に導入できるように設計するサイクルです。3つ目は、「サービス・トランジション」で、先程の段階までで設計されたサービスを、運用段階に持っていくまでの手段や方法をまとめるサイクルです。4つ目は、「サービス・オペレーション」です。2つ目のサービス段階で合意されたサービスの範囲内で、顧客に向けてITサービスを提供する手法をまとめたものです。5つ目は、「継続的なサービス改善」です。顧客やユーザーにとって魅力のあるサービスを提供し続けることができるように、測定・分析・レビューなどの活動をベストな状態に保ち続けるための手法をまとめるサイクルです。これらはすべて、ITILで欠かせないものです。
ITILを身近なものに例えると?
先述の通り難しい説明が並んでいますが、身近なものに例えるとよく理解できます。IT技術が発展することによって、自動改札機やクレジットカード決済のように、世の中を動かすために欠かせないさまざまなITサービスは、生活する上でとても便利なものです。しかし、その技術が便利なものであり続ける為には、時代のニーズに合わせて変化していく必要があります。ITシステムは、何らかの技術出来上がった時がゴールではなく、それが顧客に利用されて世間に溶け込み、価値のある、便利なサービスとして安定に稼働し続けることがミッションです。そのため、それができるためのガイドラインは必須でありITILは、人々が便利で質の良い生活を送るためには欠かせないマニュアルです。ITILの資格を目指す人も増えてきておりますます日本のIT技術も幸子していくことになるでしょう。